鈴木憲一

演出公演

1994年

高校の文化祭、クラス演劇で、舞台監督・照明・舞台。ジェフリー・アーチャー(Jeffrey Howard Archer)というイギリスのベストセラー作家の『無罪と無実の間』という戯曲。原題の『Beyond Reasonable Doubt』は「合理的な疑いの余地なく」と訳される法廷用語。日本を含む多くの国の刑事裁判では「疑わしきは罰せず(少しでも合理的な疑いの余地があれば、無罪にすべき)」という原則があって、法廷小説(リーガルサスペンス、リーガルミステリー)や法廷物の戯曲でよく使われている言葉です。犯人やその動機・犯行方法などを捜す普通のミステリーと違って、法廷小説は既に疑われている人を中心とした話になるので、争点が「合理的な疑い」になるのは必然といえば必然です。この戯曲は二場構成になっていて、一場は法廷シーン(二場は屋敷)なので一応は法廷物の形式ももってますが、一場は二場の為の前置きの要素が強く、有罪・無罪を争うわけでもなく、「合理的な疑い」は本質的なテーマではなかったです。

閑話休題。その準備の為に芝居を観る、たぶん生まれて初めて。

以上3本。特に演劇に興味があったわけじゃなく、いろいろな行きがかりが重なっただけだったので、更なる偶然が重なりさえしなければ、これが最初で最後の芝居との接点のはずだった。

ちなみに、石田ひかり主演の『飛龍伝』はチケット取れず。

1996年

ハナから京都に来る気だったので引っ越しもあっという間に終わり、あてもなく散歩。普段なら絶対に行かないような新歓イベントで、これまた普段なら絶対に来ないような人とタマタマ隣の席になる。んで、ナンダカンダあって、その日の夜には死線を二度ほど乗り越えたていどに仲良くななり…ソイツと遊んでいるうちにいつの間にか劇団の定例会に出席。

中学の時に『蒲田行進曲』(原作:つかこうへい/監督:深作欣二/出演:松坂慶子・風間杜夫・平田満)のビデオを見て以来つかこうへいさんの脚本が好きで、その劇団では誰でも演出が出来るし、興味のない公演は参加しなくてもイイということだったので、なんとなく入団。

役者は死んでもやりたくなかったが、さすがに入団した翌日に演出やらせろとも言えず、そもそも知識も全くなかったので、とりあえず何かスタッフをやってみることにする。不器用で美術が苦手、ジャイアンを少しヒドくしたくらいの音痴だったので、舞台と音響は却下。舞台監督・制作はイマイチ何をやるのか分からなかったので、消去法で照明に。生来の凝り性と、劇団にちゃんとした照明がいなかったのと、一般教養の授業がどうにも面白くなかったので、同志社に修業に行ったり照明のバイトを紹介してもらったり、学業から足が遠のく。

主な参加公演

4月
京都大学・劇団ケッペキ入団
6月
劇団ケッペキ『Debut』照明
8月
同志社小劇場・蝉しぐれプロデュース『航海日誌』照明助手
11月
12月
  • 夜虹劇場『Diamond』照明助手
  • 劇団ケッペキ『ラ・ヴィータ』照明
  • たぶん、もう一本

11月、12月で完全な休みの日が全くなかったので、全てが終わったクリスマスだかクリスマス・イブ、36時間連続睡眠という自己記録を打ち立てる。

面白かった芝居

  • 劇団衛星総理保科仙吉』『超贋作サロメ冒涜版
  • Noda·Map番外公演『赤鬼』(脚本・演出・出演:野田秀樹/出演:富田靖子・段田安則・アンガス·バーネット)
  • 199Q太陽族ここからは遠い国』(脚本・演出:岩崎正裕)
  • 大分市つかこうへい劇団『売春捜査官』(脚本・演出:つかこうへい/出演:吉見あかり・田中竜一・戸田貞幸・吉田智則)
  • パルコプロデュース笑いの大学』(脚本:三谷幸喜/演出:山田和也/出演:西村雅彦・近藤芳正)
  • 『モンテカルロ・イリュージョン』(脚本・演出:つかこうへい/出演:阿部寛・山本亨・平栗あつみ・山崎銀之丞・若林ケン)
  • 『小さな雨』(脚本・演出:須崎岳/出演:広田ゆうみ・よなたん常葉・他)
  • 『眠っちゃいけない子守歌』(脚本:別役実/演出:藤原康弘/出演:広田ゆうみ)

中学の頃からつかこうへいが好きで、絶版のものも含めてほぼ全ての本を読んでたのに、初めて生でつか芝居を観たのはこの年の『モンテカルロ・イリュージョン』。適度に衝撃を受けつつ、良くも悪くも想像と違うなとも思いつつ。


1997年

主な参加公演

4月
Moon-child『通り雨』製作
6月
劇団衛星愛と死をみつめて』照明
7月
劇団衛星能天気番長ダンスホールへ行く』照明
8月
同志社小劇場プロデュース『けれどスクリーンいっぱいの星』照明
9月
  • Moon-child『月の氷』製作
  • C.T.T.事務局企画『美しい日々』照明助手・制作助手

以上は、正式に参加した公演。ある時ふと数えてみたら、96年、97年で100本以上の公演を(主に照明で)手伝っていた。学校に行けるわけがない…

『けれどスクリーンいっぱいの星』で小早川保隆鍋田幸治らと出会う。それを抜きにしてもやってて楽しい芝居だった。同志社大学・新町別館小ホールで同志社の劇団に所属してない人が照明をするのは暗黙裏にタブー視されていたが、演出のむらまつこうしが人の心を逆撫でするのが上手かったり、なんだかんだあって、紆余曲折を経てこの公演でそのタブーが破られる。調光卓を壊して、タブーをより厳しくする結果となる。(次に外部の人間が照明をしたのは、21世紀に入ってかららしい)

面白かった芝居

この年はあたり年、面白い芝居が本当にたくさんあった。


1998年

正月、両親に学校に行ってなかったことと、今後しばらく行くつもりはないこと、休学手続もしてあることを伝える。意外に無反応。

そう言えば、東京を出た日、ボクを送り出した父の言葉は「借金と演劇はするな」だった。後日聞いたら、なぜ「演劇」と言ったのか分からないどころか、覚えてすらいないそうだ。

主な参加公演

1月
京都府立文化芸術会館プロデュース『家を出た』制作
4月
劇団ケッペキ天使は瞳を閉じて』照明・制作
8月
第三劇場プロデュース『をぐり』製作
9月
演劇集団Qプロデュース『カプセルの中から』照明
10月
劇団ケッペキ熱海殺人事件』演出
12月

『熱海殺人事件』終了後、劇団ケッペキよりフェイドアウト(やり逃げ)

面白かった芝居

目が肥えたせいか、仕事(Campus Cup選考委員)として見ていたせいか、面白いと思える芝居が一気に減る。別に自分で芝居しなくても、面白い芝居が観れればそれでいいんだけど…


1999年

主な参加公演

  • 大阪演劇祭Campus Cup'2000選考委員
  • 京都演劇祭実行委員長
2月
佐々木企画『レノン・レノン』制作
3月
大阪演劇祭・CAMPUS CUP'99舞台監督
4月
正直者の会正直者の会から、いくつかの質問 象の鼻はなぜ長い?』スパーバイザー
6月
南船北馬一団三つの木綿プロデュース『柘榴』舞台監督
10月
Flying Elephant Company野蛮な天文学』製作

面白かった芝居

この年を最後に、面白いと思える芝居がめっきりなくなる、純粋に寂しい。

ちなみに、96年から98年までは趣味で、98年から2000年までは半分以上仕事で、平均で年100本くらい観劇していたらしい。(学校に行けるはずがない…)

その反動か、これ以降はよっぽど興味をそそられる芝居以外は見ていない。(チラシを見るだけで芝居の内容から面白さまで想像がつくようになって、しかもそれがけっこう当たってしまうせいもある)


2000年〜

主な参加公演

2000年
大阪演劇祭Campus Cup'2001選考委員
2000年3月
炬燵猫『自己多発地帯』舞台監督
2000年5月
2000年8月
Party Produce『②』舞台監督
2000年9月
飛象社骨肉の倫理』製作・演出助手
2000年12月
Flying Elephant Company象が飛ぶ日—monochromatism』製作
2001年2月
売春捜査官』『ロマンス』『熱海殺人事件』演出・製作
2001年6月
幕末純情伝』演出・製作
2001年12月
熱海殺人事件—水野朋子物語—』製作
2002年3月
蒲田行進曲 完全版』演出・製作
2002年12月
Wandering Partyグッバイ ジーザス』制作
2003年3月
Wandering Party陽のあたる坂道』制作
2003年9月
飛象社雪豹』製作・演出助手
2003年
『飛龍伝—Fly me to the Moon』(仮)妄想中

面白かった芝居

第三劇場中華飯店』(脚本・演出・出演:中村武史)

面白かった芝居(ビデオ)

  • パルコプロデュース君となら』(脚本:三谷幸喜/演出:山田和也/出演:斉藤由貴・角野卓造・伊藤俊人)
  • パルコプロデュースバイ・マイ・セルフ』(脚本:三谷幸喜/演出:山田和也/出演:松本幸四郎・市川染五郎)
  • 東京サンシャインボーイズ『ショー・マスト・ゴー・オン』(脚本・演出:三谷幸喜/出演:西村雅彦・伊藤俊人・佐藤B作)

三谷幸喜氏の芝居は文句なしに面白い。自他共に認めるつかフリークのボクでも、つか芝居より面白い。「えっ、俺の本やりたいの?いいよ、別に。ホームページに台本置いとくし、好きに使ってくれていいよ。あっ、チラシくらい送ってね」というスタイルのつか氏。「ボクの芝居は役者に合わせて書いてるし、台本はあくまでも『台本』であって『作品』ではないし、上演も出版も許可しないよ。そのかわり、戯曲賞とかもいらないし」というスタイルの三谷氏。どちらも潔くて、芝居が面白いからステキ。(「」内はどちらもボクが考えたものです)


お仕事色の強い公演、ちょっとした手伝い・アルバイトは抜いてあります…


参加劇団・公演

面白かった劇団・公演