蒲田行進曲—完全版—脚本:つかこうへい/構成・演出:鈴木憲一
Cast :: 出演
- 倉岡銀四郎:助川顕太郎
- 村瀬小夏:木元聡子
- 村岡安治:石田英臣
- ルリ子:福田恵
- 中村屋喜三郎:藤田訓佳
- 若山馬之助:野本将尚
- 監督:中村健
- 父親:高杉征司
- 岩崎・ノブ太:矢吹康夫
- 久保昇平:久保昇平
- 中野貴雄:中野貴雄
Staff :: スタッフ
Data :: 情報
- 京都大学・西部講堂
- 2002年3月21日〜25日/全5ステージ
Performance :: 公演
最後の公演?最近、また芝居がしたくなってる…(2003.06.23追記)
初めてパンフレットに演出の挨拶というものを書き、初めてカーテンコールの舞台に立ちました。最後の公演ということで、これまで見て下さった方へのけじめをつけたかっただけ、完全な自己満足のためです。公演自体も自己満足の要素の強いものだったというのが、正直なところです。
またやってほしいというアンケートも多い反面、この辺がやめ時でしょうというアンケートもありました。もちろん、鈴木の才能の限界(もしくは才能の無さ)を感じられてしまっているのでしょうが、四時間という常識外の長さも大きな一因だったと思います。何の根拠もなく、三時間に治まると公演直前まで思っていました。
日本語を殆ど解さない外国人の方が「幕末」を見た友人に勧められてか来場してくださり、本番中鈴木の前に座っていました。この時ほど四時間という長さを実感したことはありません。
『幕末純情伝』でも書いたように、助川の為の公演のつもりで始めました。
続編にあたる『銀ちゃんが逝く』という台本も好きだったこと。『蒲田行進曲』は基本が三人芝居で、沢山いる好きな役者さんを使い切れないこと。これで最後にするつもりだったこと。中村との対決に是が非でも勝ちたかったこと(『熱海殺人事件—水野朋子物語—』参照)。いろいろな理由があって、「蒲田」と「銀ちゃん」を一つの台本にするという暴挙が始まりました。役者は鈴木の構成力に期待してくれていたのか、自分のセリフが多いほうが嬉しかったのか、諦めていたのか、興味がなかったのか、意外と反対してくれませんでした。スタッフは猛反対でした。
長さに関しては猛省してます。長さ以外の反省事項が思い浮かばないくらい反省してます。付き合ってくれた皆さん、ありがとうござました。
Scenario :: 台本
客、役者、そして鈴木自信も再演の要望が多かった『飛龍伝』をオープニングにいれてみたり、「幕末」と同じシーンを別の視点でいれてみたり、客入れ中(開演前)にはこれまでの公演で使った曲を流してみたり(音響補佐の上林が最終日まで編集していました、ありがとう)、配役であまり冒険をせず、これまでの芝居の役柄(位置づけ)を踏襲してみたり、意図的にも結果的にも総決算の公演でした。
台本が書けなくて稽古を休んだ日数も、稽古がしたくてバイトをサボる日数も、稽古・仕込み(本番準備)での寝坊も、これまでで一番多く、本番の二日前に雪を降らせたいと言ってスタッフを困らせたり、良くも悪くもこれまでの五年間の要素が全て入っていた象徴的な公演だったと思います。役者も慣れたもので「今、台本印刷してるから、もうすぐ行く」と言えば、「今書いているからかなり遅れる」。「今、台本書いてるから、区切りがついたら行く」と言えば「まだ一行も書いていないから今日は来ない」と、鈴木の意図を見事にくみ取ってくれていました。今、気付きました、最低の人間です。
総決算として、今までできなかったことは全てやりたかったのですが、天井から役者を飛び降りさせることができませんでした。足の一本くらい折ってもいいと思える役者さんがいなかったのが理由です。もしも、次があれば、飛び降りる専門の役者を確保したいものです。念のため、四、五人。
「幕末」の音響コンセプトがさらに発展し、四時間という長さの割に、作っているこっちがビックリするくらい曲が少ないです。時間やページ数あたりの曲数が一番少ないのはもちろん、オープニング『飛龍伝』の三曲と、ネタ的に使っている『ゴジラ』や『蒲田行進曲』を除けば、総曲数も『ロマンス』に次ぐ少なさです。決して演出や音響が手を抜いたわけではありません。(最後の二ステージ以外はMusic12はかかっていません、これは手抜きとかどちらが正解というわけではなく、役者の芝居にあわせて適宜対応しているだけです)初稿では長さ相応の曲数を指定していましたが(具体的な曲ではなく、「ここに曲入れて」という投げやりなト書き)どうも、最終的には、曲数を限りなく0に近づけたかったようです。
この公演を見て「蒲田」「銀ちゃん」がつまらないと思った人がいれば、全ては鈴木の責任です。いい台本だし、いい役者さんたちだったと思います。その誤解を正すためにも、もう一度やりたいという気がないではありません。別の公演として、それぞれ二時間くらいで。
